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この節での特訓内容
1.温度
2.熱量・熱容量・比熱
3.熱の移動について
4.熱膨張

この節では、熱に関する特訓を行う。
熱量や比熱など熱エネルギー関係および熱伝導率や熱膨張と熱全般についての基本知識をここで習得することになる。
危険物の消火および保管について必要となる事項であるのでしっかり特訓するのだ。
では特訓開始。


1.温度

1.セ氏温度(℃)とは

1気圧で水の凝固点を0℃、沸点を100℃としてそれを100等分したもの。

日常生活で使用されている一般の温度。

2.絶対温度(K)とは。

分子の運動が完全に止まる温度ー273℃を0K(ケルビン)として水の凝固点を273Kとしたもの。

以下がセ氏温度と絶対温度のイメージ。
セ氏温度と絶対温度イメージ
温度解説

セ氏温度も絶対温度も温度の上昇の仕方は同じだ。
セ氏温度が1℃上昇すると絶対温度も1K上昇する。

式)絶対温度=セ氏温度+273となる。
特に難しい所はない。

 


2.熱量・比熱・熱容量

1.熱量とは

物質を温めると温度が上昇する。

そのときに物質が得た熱エネルギーを「熱量」という。 単位はJ(ジュール)。

2.熱容量とは

物質の温度を1℃上昇させる熱量のことを「熱容量」という。

単位は(J/℃)。

熱容量が大きい(熱がたくさん必要)物質ほど温度が上昇しにくくなる。

熱容量(J/℃) = 比熱 × 質量(※この式は必ず覚えるのだ。)

3.比熱とは

質量1gの物質の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量を「比熱」という。

単位は(J/g・℃)。


4.温度変化による熱量の出入(※ここを計算できるようにすることが大事

物質が温度変化したときの熱量の出入は次の式で求めることができるぞ。

熱量(J)= 熱容量(比熱 × 質量) × 温度差(※この式は必ず覚えるのだ。)

例)ここに比熱が2.5(J/g・℃)の物質が200gある。温度は10℃にしよう。

①この物質の熱容量は 熱容量 = 2.5(比熱) × 200(質量)で、答えは500J/℃になる。

②この物質の温度を10℃から50℃まで上昇させるために必要な熱量は 熱量  = 2.5×200(熱容量) × 40(温度差)で、答えは2000J(2kJ)となる。

※kは1000の記号。

熱容量および熱量の式を暗記することができれば楽々クリアーだ。

以下が熱量と熱容量の式となるので確実に暗記するのだ
熱量と熱容量の式
式1 熱容量 = 比熱 × 質量
式2 熱量  = 熱容量(比熱×質量) × 温度差

解説

本試験では比熱および温度(または温度変化)の数値が指定されることが多い。

熱容量を求める場合は式1。

熱量を求める場合は式2。



3.熱の移動について

熱は必ず高温の物質から低温の物質へと移動する。

逆の現象はない。

そして熱の移動の仕方には3種類ある。

熱の移動1:伝導
伝導の解説

熱伝導率の特徴 ※すべて覚えるのだ。

○熱伝導率が大きい物質ほど熱が伝わりやすい。

○熱伝導率は気体<液体<固体の順に大きくなる。

○固体でも粉末になると隙間ができて熱伝導率は小さくなる。

○金属は熱伝導率が大きい → 良導体。

○液体・気体は熱伝導率が小さい → 不良導体。


熱の移動2:対流
対流の解説

対流現象の特徴
○気体および液体に起こる現象で固体では起こらない。

○火災現場で発生する「火事場風」もこの現象によるものだ。


熱の移動3:放射(ふく射)
放射の解説

放射現象の特徴
○放射現象による熱エネルギーを放射熱という。

○放射熱は真空でも伝わる。

○放射熱は直進する性質がある。



4.熱膨張

物質に熱が加わると一般に長さ(線膨張)や体積(体膨張)が増える。

この現象を「熱膨張」という。

1℃当りの膨張する割合を熱膨張率という。

単位K⁻¹で表す。

危険物を保管する場合にタンク等の容器に収容するが、温度変化によってどれぐらい膨張するかを計算する必要などがある。

危険物が膨張することによってタンク外に流出する危険性があるからだ。

ここでは体膨張について特訓する。

体膨張を求める式は

膨張する体積 = 元の体積 × 体膨張率 × 温度差」 となる。

※他の式もあるが、これが一番簡単な式なのでここではこの式を使用する。

他式の例)膨張後の体積 = 元の体積 ×(1+体膨張率×温度変化)など。

例)200Lのドラム缶にガソリン(体膨張率1.35×10⁻³(K⁻¹))が満タンに入っている。温度は20℃としよう。

※10⁻³は、1/1000または0.001のこと。

そのガソリンを50℃まで温度を上昇させた場合の計算は

膨張する体積=200(L)× 1.35×0.001(K⁻¹) × 30(℃)となり 200 × 0.00135 × 30 = 8.1(L)が膨張する体積となる。

例のようにドラム缶にガソリンを満タンに収容すると温度が30度上昇した場合に8.1Lあふれ出すので注意するのだ。

気体の膨張について:

気体は圧力が一定の場合、温度が1℃上昇するごとに0℃のときの体積の1/273ずつ体積が増える。

※本試験ではあまり重要ではないので具体的内容は割愛する。

「気体の体積の膨張率は、ほぼ一定である」とだけ覚えておけば問題ない。

教官から一言
この節では熱に関する基本的なことを特訓したが、熱についての理解を深めることは危険物を取扱うために非常に重要となる。
本試験では熱量・熱伝導・体膨張のいずれかが必ず出題される。
どこが出題されても問題ないように満遍なく特訓するように心がけよ。


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本試験要点チェック ~理解度を確認するのだ~

熱について、以下の質問(または空欄)に答えよ。答えは問題文をクリック

セ氏温度とは、1気圧で水の凝固点を[ ]℃沸点を[ ]℃とし、それを100等分した一般的に使用されている温度のことである。

セ氏温度とは、1気圧で水の凝固点を℃沸点を100℃とし、それを100等分した一般的に使用されている温度のことである

絶対温度とは、セ氏温度-273℃を0K(ケルビン)として水の凝固点を[ ]K沸点を[ ]Kとした温度のことである。

絶対温度とは、セ氏温度-273℃を0K(ケルビン)として水の凝固点を273K沸点を373Kとした温度のことである

※0K(-273℃)で分子の運動は完全に停止する。

セ氏温度が1℃上昇すると、絶対温度は[ ]K上昇する。

セ氏温度が1℃上昇すると、絶対温度も1K上昇する

※温度上昇はセ氏温度も絶対温度も同じである。

物質を温めると温度が上昇する。そのときに物質が得た熱エネルギーのことを[ ]という。

物質が得た熱エネルギーのことを熱量という

物質の温度を1℃上昇させる熱量のことを[ ]という。

物質の温度を1℃上昇させる熱量のことを熱容量という

※「ある重さ」の物質を1℃上昇させるために必要な熱量。→「比熱」と比較しよう。

質量1gの物質の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量のことを[ ]という。

質量1gの物質の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量のことを比熱という

※「1g」の物質を1℃上昇させるために必要な熱量。

熱容量=[ ]×[ ]。

熱容量=比熱×質量

※例:比熱2.5、質量500gの熱容量は1250J/℃。

熱量=[ ]×[ ]。

熱量=熱容量×温度差

※例:比熱2.5、質量500gの物質を10℃から40℃(温度変化30℃)まで温度を上昇させる場合。
熱量=熱容量(2.5×500)×温度差(30)で37500Jとなる。

比熱2.5J/g・℃、質量300g、温度15℃の物質を40℃にするために必要な熱量(J)を計算せよ。

熱量=熱容量×温度差なので
熱量=2.5×300×25で18750(J)となる

※熱量の式を基準として、比熱や熱容量を求める計算も練習するとより得点の幅が広がるのだ。
比熱=熱量÷(質量×温度差)
熱容量=熱量÷温度差
温度差=熱量÷熱容量
など。

熱の移動の中で、熱が物質の中を高温部から低温部へと順に伝わっていく現象を[ ]という。

熱の移動の中で、熱が物質の中を高温部から低温部へと順に伝わっていく現象を伝導という

※熱は必ず「高温から低温」へ移動する。

 

熱の移動の中で、液体や気体が移動することによって熱を伝える現象を[ ]という

熱の移動の中で、液体や気体が移動することによって熱を伝える現象を対流という


熱の移動の中で、高温の物体から熱が放射線の形で空間を伝わってその熱が物体に移動する現象を[ ]という。

熱の移動の中で、高温の物体から熱が放射線の形で空間を伝わってその熱が物体に移動する現象を放射(ふく射)という

固体で起こらない熱移動は[ ]である。

固体で起こらない熱移動は対流である

熱伝導率が[ ]い物質ほど熱は伝わり易い。

熱伝導率が大きい物質ほど熱は伝わり易い

熱伝導率は、気体→液体→固体の順に[ ]くなる。

熱伝導率は、気体→液体→固体の順に大きくなる

固体を粉末にすると熱伝導率は[ ]くなる。

固体を粉末にすると熱伝導率は小さくなる

※固体でも粉末になると「隙間」ができて熱伝導率は 小さくなる。

物質に熱が加わると一般に長さや体積が増える。この現象を[ ]という。

熱膨張

※固体でも粉末になると「隙間」ができて熱伝導率は 小さくなる。

膨張する体積 = [ ]×体膨張率×[ ]。

膨張する体積=元の体積×体膨張率×温度差

※体膨張率は本試験で問題文に明示されます。

200Lのドラム缶にガソリン(体膨張率0.00135)が満タンに入っている。そのガソリンの温度を10℃から30℃まで上昇させた場合にドラム缶から流出するガソリンの体積を求めよ。

膨張する体積=元の体積×体膨張率×温度差より
流出する体積=200L(元の体積)×0.00135(体膨張率)×20℃(温度差)で5.4L

※注:ドラム缶にガソリンを注入する場合、完全に満タンにしてはいけません。