スポンサーリンク

燃焼範囲・引火点・発火点

この節での特訓内容
1.燃焼範囲
2.引火点
3.発火点
4.自然発火
5.爆発

この節では燃焼範囲や引火点等についての特訓を行う。
ガソリンに火が付く(引火する)と危険であるのは誰でも分かるであろう。
そこで実際にガソリンなどの危険物に火が付く温度や燃焼するために必要な空気の量がどれぐらいなのかということが分かればより安全に危険物を取扱うことが出来るであろう。
その意味においてもこの節は非常に重要である。
燃焼範囲については少し覚えることが多いがしっかりと特訓するのだ。
では特訓開始。


1.燃焼範囲

可燃性液体が燃焼するためには、可燃性蒸気と空気が混ざり合いその混合気体の比率が一定範囲内にある必要がある。

この混合気体(可燃性蒸気と空気)が燃焼可能な濃度範囲を「燃焼範囲」(vol%)という。

燃焼範囲の上限を燃焼上限値(濃度が濃い)、下限を燃焼下限値(濃度が薄い)という。

燃焼範囲が広く燃焼下限値が低いほど危険度が高いといえる。

※燃焼範囲が広い → 燃焼可能な範囲が広いので危険。

※燃焼下限値が低い → 可燃性蒸気が空気中に少しでも漏れ出すと燃焼するので危険。

暗記が必要とされる第4類危険物の燃焼範囲を以下に挙げた。

最低でもガソリンの燃焼範囲だけは覚えるようにするのだ。

第4類危険物 燃焼範囲:下限値 燃焼範囲:上限値
ガソリン 1.4 7.6
灯油 1.1 6.0
ジエチルエーテル 1.9 36
二硫化炭素 1.3 50
メタノール 6.0 36
エタノール 3.3 19
アセトアルデヒド 4.0 60


2.引火点

液体から発生する可燃性蒸気が空気と混ざり合い、点火源によって燃え出すのに十分な濃度の蒸気を発生させる最低の液温を「引火点」という。

引火点 = 燃焼範囲下限値の濃度の蒸気を発生させる「液温」のこと。

※主な危険物の具体的な引火点は第3章「危険物の性質」で詳しく特訓するのでここでは割愛する。

分かりやすく説明するとこんな感じだ。

1.危険物液体を温め続けると

2.蒸気が発生する(蒸気微量

3.発生した蒸気と空気とが混合し始める(混合気体の誕生

4.混合気体が燃焼可能な最低の混合比率に到達する(燃焼範囲下限値に到達
↓※「この時の液温」が引火点となる。

5.その混合気体に火(点火源)を付けると燃焼する(燃焼開始)、と言うこと。

図で説明すると下図のような感じ。
引火点1:灯油の液温20℃

○灯油の引火点40℃
○灯油の液温20℃
 以上の条件ではマッチ(点火源)を可燃性蒸気に近付けても引火しない
 ※空気は普通に存在していると仮定する。

引火点2:灯油の液温50℃

○灯油の引火点40℃
○灯油の液温50℃
 以上の条件では引火する
※空気は普通に存在していると仮定する。


ちなみにガソリンの引火点は-40℃なので温めなくても点火源さえあれば日常では普通に燃焼下限値の濃度の蒸気が発生してしまう(すぐに引火する)。

石油ストーブなどで使用する灯油の引火点は40℃以上なので石油に比べれば燃焼しにくいが、あまり暑いところに保管していると液温が40℃を超えて燃焼下限値の濃度の蒸気が発生してしまうので注意が必要だ。



3.発火点

空気中で可燃性物質を加熱したとき点火源がなくてもその物質が自ら発火・燃焼する温度のこと。

※主な危険物の具体的な発火点は第3章「危険物の性質」で詳しく特訓するのでここでは割愛する。

※比較せよ。

引火点 → 燃焼を開始するのに「点火源」が必要

発火点 → 燃焼を開始するのに「点火源」の必要なし

当然のことだが、引火点温度より発火点温度の方が高くなる。

発火点に関しては特に難しいところはない。



4.自然発火

空気中で物質が「酸化」や「分解」などによって自然に発熱し、その熱が長時間蓄積されて発火点に到達することで点火源なしに燃焼を起こす現象を自然発火という。

自然発火が起こる要因1~発熱

1.分解熱による発熱 → 内部に酸素を含有している物質が分解することによって発生する熱。

2.酸化熱による発熱 → 酸素と反応して酸化されることで発生する熱。

3.吸着熱による発熱 → 空気中の湿気や水分に作用して発生する熱。

4.発酵熱による発熱 → 微生物が発酵・腐敗するときに発生する熱。


自然発火が起こる要因2~蓄熱

1.熱伝導率が小さい → 熱伝導率が小さい物質は熱を放出しにくく自然発火しやすい。

2.風通しが悪い場所 → 空気の通りが悪いため熱が冷却されにくく自然発火しやすい。

3.粉末状にして堆積 → 粉末状態のものを積上げると熱が蓄積されやすく自然発火しやすい


5.爆発

1.粉塵爆発

粉末となって空気中に浮遊している可燃性物質が着火することによって起こる爆発。

※可燃性物質が粉末になることで空気との接触面積が大きくなることが原因。

2.可燃性蒸気の爆発

密閉された空間で可燃性蒸気が点火源によって引火することによって起こる爆発。

※車のエンジンなどもこの爆発を利用している

教官から一言
この節では燃焼の種類と燃焼範囲および引火や発火などについて特訓したが、燃焼範囲についてはガソリンなどの特定の品目における燃焼範囲を問われる場合がある。
そのためある程度の暗記が必要となる。
引火点や発火点については第3章「危険物の性質」で特訓するので具体的な品名における引火点や発火点を覚える必要はない。
引火点や発火点の意味を理解することがこの節では重要となるぞ。


スポンサーリンク

本試験要点チェック ~理解度を確認するのだ~

燃焼範囲・引火点・発火点等について、以下の質問(または空欄)に答えよ。答えは問題文をクリック

燃焼範囲が[ ]く、その下限値が[ ]いほど燃焼しやすい。

燃焼範囲が広く、その下限値が低いほど燃焼しやすい

燃焼範囲が広い:燃焼可能な範囲が広いので燃焼しやすい。

燃焼下限値が低い:少量の可燃性蒸気でも燃焼する。

ガソリンの燃焼範囲は下限値[ ]Vol%、上限値[ ]Vol%である。

ガソリンの燃焼範囲は下限値1.4Vol%、上限値7.6Vol%である

※ガソリンの燃焼範囲は暗記しよう。

液体から発生する可燃性蒸気が空気と混ざり合い、点火源によって燃え出すのに十分な濃度の最低の液温のことを[ ]点という。

引火点という。

※燃焼範囲下限値の濃度の蒸気を発生させる液温のこと。

空気中で可燃性物質を加熱したとき、点火源が無くても自ら発火・燃焼する温度のことを[ ]という。

発火点という。

※引火点温度<発火点温度。

空気中で物質が酸化や分解などによって自然に発熱し、その熱が長時間蓄積されて発火点に到達し、点火源なしに燃焼を起こす現象を[ ]という。

自然発火という。

※引火点温度<発火点温度。

可燃物が蓄熱により自然発火しやすい条件として以下を答えよ。

可燃物の熱伝導率が[ ]い。

可燃物の熱伝導率が小さい

可燃物が風通しの[ ]い場所に保管されている。

可燃物が風通しの悪い場所に保管されている

可燃物が[ ]状に堆積している。

可燃物が粉末状に堆積している。

※可燃性物質が粉末状になることで、空気との接触面積が大きくなり、自然発火とは別に点火源を伴う粉塵爆発を引き起こす恐れもある。